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蒸溜酒のお勉強

ウイスキーについては他で触れていますので、ここでは割愛いたします。主にウイスキーを除く、ウイスキーや日本に関連のある欧州、米国、日本の蒸溜酒について触れておきます。それ以外の白酒、ソジュなどの蒸溜酒については簡単に触れておきます。蒸溜酒ですので、リキュール類、ジン、ブランデー、泡盛、焼酎(別ページでご紹介)などになります。パーリンカ、アブサン、ポティーンなど、ちょっとマイナーですが、伝統や歴史があり、文化的な蒸溜酒にも触れておきます。また、ここでご紹介した蒸溜酒については、種類も多いので、常時全てをご提供するわけにもいきませんが、適時ご提供していこうと考えております。価格の高いものもあるかもしれませんが、できるだけ、評価が高く、「お酒って美味しいんだ」と感じて頂けるものを選んでご提供したいと考えています。だた、お酒は、嗜好品ですので、美味しいと感じるお酒の種類は人それぞれです。お口に合ったお酒に巡り合って頂けましたら嬉しく思います。

■世界三大蒸留酒

■お酒の消費量の順位

ウイスキー、ブランデー、白酒(バイジュウ)は、世界三大蒸留酒といわれています。
ちなみに、世界三大醸造酒は、日本酒、ビール、ワインです。
お酒の世界の消費量順位(2022)は、上位から下記の通りです。
①ビール
②ワイン
③リキュール
④白酒(バイジュウ)
⑤ウイスキー
⑥ウォッカ
⑦サイダー(シードル)
⑧ラム酒
⑨ジン
⑩テキーラ
■ウイスキー
ウイスキーについては、別ページでご紹介しておりますので、ここでは簡単に触れておきます。
ウイスキー(英:whisky、愛=アイルランド/米:whiskey)は、世界の酒の一つです。大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物を麦芽の酵素で糖化し、これをアルコール発酵させ蒸留したものです。元々はイギリスおよびアイルランドの特産品でしたが、現在では多くの国で生産されています。
日本語ではウィスキー(ウヰスキーとも)と表記されます。日本の酒税法上の表記は「ウイスキー」であり、国税庁も「ウイスキー」の表記を用いています。漢字を当てて「火酒」、「烏伊思幾」と書かれる場合もあります。
また、英国や日本は、スコッチ・ウイスキーはwhisky、アイルランド(愛)や米国もアイリッシュ・ウイスキーやバーボン・ウイスキーなどはwhiskeyと表記されます。
■ブランデー
後述で触れますので、ここでは簡単に触れておきます。
ブランデー(ブランディ、英:brandy)は、果実酒からつくった蒸留酒の総称です。語源はオランダ語の「焼いたワイン」を意味するbrandewijnからです。明治時代の辞書『袖珍獨和新辭林』によれば「葡萄地酒」と訳されています。漢字で「罷蘭地」「白蘭地」とも当てて書かれることもあります。
主に白ブドウのワインを蒸留して樽に入れ、熟成して製造する(熟成期間は5~8年、種類によっては25年以上熟成させます。熟成させすぎたものは新しいものとブレンドして若返らせる場合もあります)。単にブランデーといった場合は通常ブドウが原料のワインを蒸留して作られたものを指しますが、リンゴから作ったアップル・ブランデーやサクランボから造ったチェリー・ブランデーも存在します。アルコール度数は40度弱から50度程度です。
■白酒
白酒は、簡単に触れておきます。
白酒(バイジュウ、パイチュウ)は、中国発祥の蒸留酒です。背の高いモロコシの一種、「高粱(カオリャン)」をメインに、トウモロコシや黍(キビ)、麦などの穀物を原料とする蒸溜酒です。「焼酒(ショウシュ)」あるいは「火酒(カシュ)」とも呼ばれます。一般にアルコール度数が50度程度と高い商品が多いです。中国では最もポピュラーなお酒ですが、最近では、若者離れが進んでいるようで、アルコール度数の低い商品も出ています。色は透き通った透明です。中国では白酒の「白」は「無色透明」という意味です。白酒は長期熟成させるため口当たりはまろやかで、甘く濃い強烈な芳香があり、飲み干してもなお香りが強く残るお酒です。様々な種類が発売されています。

■スピリッツ(蒸溜酒)

スピリッツとは蒸溜酒全般を指す名称です。広義としてはウイスキー(主に大麦麦芽)やブランデー(主にワイン、葡萄)もこのカテゴリーに入りますが、通常はそれ以外を指します。
ジン、ウオッカ、ラム、テキーラは、世界四大スピリッツといわれております。
下記で、その概要に触れておきます。リキュールについても触れておきます。

■世界四大スピリッツ

■ジン
蒸留酒にジュニパーベリーなどのボタニカルといわれる植物成分で香りづけ、英国・オランダ・ドイツなどでつくられています。ジュニパーベリーとは、「杜松果」とは外観は「ブルーベリー」に似ていますが全く別物です。西洋料理で香辛料として使用されます。古くからジュニパーベリーには、利尿や解熱作用の薬効があることが知れられており、これは普通に飲んでも美味なため本来の薬用酒としての用途を越え一般に広まりました。
ジンは、マティーニ、ギムレット、ネグローニ、トムコリンズ、ジントニック、ジンライムなど多くのカクテルベースとして使用されています。RTDカクテルやRTSカクテル市場も大幅に拡大しています。
ウィルキンソン、ビーフィーター、ヘンドリックスジン、ボンベイサファイア、シーグラムなどのブランドがあります。
ジンは、日本ではサントリーが、2024年2月7日、ジンに関連したビジネスを強化する方針を発表しました。2030年に国内ジン市場を2020年比で6倍以上、2023年の2倍以上となる450億円規模に拡大させるという目標を掲げました。現在は、「翠」、「ROKU」を発売しており、急成長の市場です。輸出も好調で、蒸溜酒では焼酎を抜いて、大幅拡大です。当店では、京都蒸溜所の京都ジンを中心にご提供いたします。
ジンについては、主な種類について少し触れておきます。
ドライ・ジン(Dry Gin)
ロンドン・ジン、イングリッシュ・ジンなどとも呼ばれイギリス、ロンドンが主産地。日本でも2016年からジン専門の京都蒸溜所(ペルノリカールグループ)が製造・販売を始めました。
イェネーバ(Jenever)
現在でもオランダで作られている、より原型に近いジンです。オランダ・ジンとも呼ばれます。原料を糖化、醸造した液体に副材料を加え、単式蒸留します。
シュタインヘーガー(Steinhäger)
生のジュニパーベリーを発酵して造られます。ドイツ産のジン。ドライ・ジンよりは控え目な風味を持っています。
オールド・トム・ジン(Old Tom Gin)
ドライ・ジンが造られるようになる以前、雑味を抑えるために砂糖を加えたジンです。カクテルのトム・コリンズは本来このジンを材料としています。
※スロー・ジン(Sloe Gin)(リキュール)
ジンで使われるジュニパーベリーの代わりにスローベリー(Sloe berry、スピノサスモモの果実)を副材料とするアルコールです。「ジン」と名が付いてはいますが、スピリッツではなくリキュールの一種とります。
■ウォッカ
蒸留酒を白樺炭で濾過し、無味無臭無色、高度数、ロシア・ポーランド・アメリカなどで造られています。
スピリタス、ズブロッカは、ウォッカの一種です。
■ラム
サトウキビが原料の蒸留酒、甘め、キューバ・プエルトリコ・バハマなど西インド諸島、カリブ海原産で造られています。
ロンリコ、レモンハート、デメララ、ハバナクラブ、ロンサカパなどのブランドがあります。
■テキーラ
竜舌蘭(Agave, アガベ/アガヴェ)が原料の蒸留酒、メキシコで造られています。
ドンフリオ、ホセクエルボ、パトロンなどのブランドがあります。

■世界4大スピリッツ以外のスピリッツ(蒸溜酒)

リキュール
果実、香草、薬草などで風味づけをし、さらに甘みなどを加えた蒸溜酒です。 リキュールは各国によって定義が異なるうえ、その数が膨大であることから、分類するのは難しいのですが、香味成分から大きく4つに分けられることがあります。
①果実系(フルーツ系)
キュラソー、カシス、梅酒など
②種子系(ナッツ系)
アマレット、マリブなど
③薬草・香草系(スパイス・ハーブ系)
カンパリ、アブサンなど
④特殊系(ミルク・クリーム)
クリーム、ヨーグルト、チョコレートなど
■アブサン(薬草系リキュール)
アブサンは、スピリッツ業界で世界第1位2位を競う「ペルノリカール社」の起源ともいえるスピリッツ(蒸溜酒)ですので、少し詳しく触れておきます。
アブサン(アブサント、アプサン、アブシンス)は、「緑の妖精」とも呼ばれるフランス、スイス、チェコ、スペインを中心にヨーロッパ各国で作られている薬草系リキュールの一つです。ニガヨモギ、アニス、ウイキョウなどを中心に複数のハーブ、スパイスが主成分です。語源は、ギリシア語のヨモギの意に由来します。初めは薬酒として人の健康のために役立てようと造られたものの、一時は多くの中毒者を出したことで製造禁止にもなるなど、これまで紆余曲折の歴史をだどってきました。それでも、何が起こっても、その独特な香りや味わいに魅了される人が絶えないこのお酒は、次のボタニカルトレンドとなるかもしれません。
日本では、有名な商品名であるペルノ (仏:pernod、ペルノ―) を一般名詞的に呼ぶ場合があります。ペルノという呼び方は、同社のもう一つの有名な商品であるアニス酒を指すこともあります。50年代から、90年代前半にかけて、サントリーやモンデ酒造(1952年創業の山梨県のワイナリー)などの国内メーカーからも販売されていましたが、最近になるまでは、国内では製造されていませんでした。2015年頃から、日本国内でもクラフト蒸溜所(独立の資本からなる小規模の蒸溜所)などで生産されるようになってきています。ちなみに、漫画「ドカベン」で有名な水島新司(1939~2022)氏の野球漫画「あぶさん」は、酒豪の強打者「あぶさん」こと景浦安武(かげうらやすたけ)を主人公とする野球漫画で、その作品名は「アブサン」が由来です。
アルコール度数が高く70%前後のものが多く、低いものでも40%程度、製品によっては89%を超えるものもあります。薄く緑色を帯びており 水を加えると非水溶成分が析出して白濁します。色と白濁の度合いは製品によって大きく異なります。ハーブの香りがふんだんに感じられるメントールのような味が特徴ですが、青臭さが強いので好き嫌いがハッキリ分かれるお酒でもあります。本来は砂糖が入ってないためリキュールではなく、ジンと同じくスピリッツとして分類されます。そのまま飲むこともありますが、度数が高いため薄めて飲んだり、特異な香気があるためカクテル材料としても用いられます。薄めて飲む場合、角砂糖に垂らす方法がよく知られており、しばしば「アブサンスプーンをグラスの上に渡してその上に角砂糖を置く」という形で供されます。グラスの上に渡した角砂糖をアブサンで湿らせて着火し、ミネラルウォーターを注いで消火し、アブサンスプーンでよく混ぜたものをクラシックスタイルとして提供しています。この独特な飲み方をするために、アブサンには独特の道具が用いられることがあります。アブサンの名産地の一つであったポンタルリエ(フランスブルゴーニュ・フランシュ・コンテの都市)の名を冠したポンタルリエグラスは、球形の液溜めの上にグラス型の部分を乗せた独特な上げ底の脚付きグラスであり、液溜めの部分にだけアブサンを注いでから水を注ぎます。角砂糖を置くためにアブサンスプーンという穴が開いた、時に装飾的な形状のスプーンを使用します。水を滴下するために使用する水差しはカラフェやファウンテン、ブロウラー(ドリッパー)といったアブサン専用の独特な形状の物が存在します。
元々はスイスのヴェルト・トラ・ヴェルで作られていたニガヨモギを原料とした薬を医師ピエール・オーディナーレが蒸留を応用し独自の処方を発案、彼はその製法を1797年にアンリ・ルイ・ペルノーに売却し、ペルノーが商品化しました。特に、19世紀フランスの芸術家たちによって愛飲され、作品の題材とされました。安価なアルコールであったために多数の中毒者・犯罪者を出したことでも知られます。アブサン中毒で身を滅ぼした有名人としては、詩人ポール・ヴェルレーヌや画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、フィンセント・ファン・ゴッホがいます。
ニガヨモギの香味成分であるツジョンにより幻覚などの向精神作用が引き起こされるとされ、1898年にベルギーの植民地であったコンゴ自由国(現コンゴ民主共和国)で禁止されたのに始まり、20世紀初頭にはスイス・ドイツ・アメリカなどでアブサンの製造・流通・販売は禁止されました。アメリカでは、1997年に国内への持ち込みが可能になりましたが、ツジョン(ツヨン)の含有率による制限は残っています。
一方で、ツジョン(ツヨン)が原因によるアブサン中毒は疑問視されています。
このため、ニガヨモギを用いないアブサンの代替品として、パスティス(仏:se patiser,似せる、まがいもの、の意を由来とする)が製造されました。販売を目的としない小規模な製造についてはほとんど取り締まりがなかったため、フランス・スイスなどを中心とする欧州の各地に自家用のアブサン醸造家が存在しました。
一方、スペインなど禁止されていない国もありました。日本でもニガヨモギ抽出物が食品添加物(既存添加物)として使用が許可されていたため、ペルノーが一般的な流通ルートで輸入されており、国産製ではサントリーがカクテル用に一般流通させていたヘルメス・リキュール・シリーズのラインナップとしてアブサンを販売していたことから、洋酒販売店やバーにおいてはそれほど珍しい酒ではありませんでした。
その後、1981年に世界保健機関 (WHO)が、ツジョン(ツヨン)残存許容量が10ppm以下(ビター系リキュールは35ppm以下)なら承認するとしたため、製造が復活しました。禁止国であったスイスでも2005年3月1日に正式に解禁されました。
ツジョン(ツヨン)は、沸点201°Cの無色の液体です。メントール様の香気を持ち、水に溶けにくく有機溶剤に溶けます。大量摂取すると、麻酔作用、嘔吐、幻覚、錯乱、痙攣などに陥らせ、習慣性もあります。ニガヨモギに含まれることで知られていますが、生草で数kg以上摂取しなければ上記のような症状は出ないとされています。
ニガヨモギ、ヨモギ、セージなどの精油成分で、リキュールの一種であるアブサンの成分としてよく知られています。ソフトドリンクやアルコール飲料に対する食品添加物として認可されている苦味料のニガヨモギ抽出物に含有されます。大麻の成分テトラヒドロカンナビノール(THC)に似た分子構造を持っています。
●ペルノリカール社
アニスをベースとしたスピリッツを製造するフランスの大手2社(1805年創業のペルノ社、1932年にポール・リカールが設立したリカール社)の合併により、ペルノ・リカールが誕生しました。「ペルノアブサン」というと、世界第2位のフランスの酒類企業ペルノリカール社のメインラインナップのひとつです。
ペルノリカール社は、1975年、ペルノ社とリカール社が合併してペルノ・リカール・グループ誕生しました。2社はアニスの実で香りを付けた食前酒のメーカーとしてよく知られた存在でした。
今はアニス酒のイメージが先行しており、量産型の普及品という、位置付けに捉えがちですが、「ペルノなくして、アブサンは語れない」といわれる存在です。
2001年、同グループは、カナダの企業グループ・シーグラムのワイン・スピリッツ部門を獲得し、大きな成長を遂げました。
2005年、世界第3位のスピリッツ企業となったペルノ・リカールは、アメリカの盟友企業・フォーチュン・ブランズ(ビーム社などを保有)と、世界第2位のライバル企業であるアライド・ドメック(イギリス)の買収交渉を行なった。アライド・ドメック社(かつてイギリスのブリストルに本拠を置き蒸留酒、ワイン製造とファーストフード店の事業を展開していた国際企業)は、1994年の複合的な合併により誕生したコングロマリット(分野の異なるさまざまな業種や事業展開を行う企業や企業グループのこと)でしたが、テキーラでは「サウザ」、コニャックでは「マーテル」、「カルーア」、ウイスキーでは「バランタイン」、「アベラワー」、「ロング・ジョン」、「シーバス」、「カナディアン・クラブ」といった強力なブランドを有していました。アライド・ドメックの獲得により、ペルノ・リカールは、ワイン・スピリッツ部門ではディアジオに次ぐ世界第2位の企業グループに浮上し、年間総売上高は、56億ユーロ(約7000億円)に達するほどになりました。
2008年3月、ペルノ・リカールはスウェーデン政府からヴィン&スピリト(ウォッカのブランドのアブソルートなどを保有)を買収したことにより、ワイン・スピリッツ部門では、ディアジオ社と世界第1位、2位を競う企業グループとなりました。
●ペルノ社
ペルノ社は、1805年創業のフランスの食前酒メーカーです。
ベルエポック期(美しき時代、良き時代、ベル・エポックは、厳密な定義ではないが、主に19世紀末から1914年の第一次世界大戦勃発までの約25年間のパリが繁栄した華やかな時代)にアブサン一大旋風を巻き起こしました。今の現代アブサンの基盤を作り上げました。そして、二百年前にスイス山間部のアブサン屋さんが今では世界第2位の酒類企業に登りつめました。
アブサン発祥の地は、スイス西部ヌーシャテル州にあるトラヴェール渓谷クヴェ村です。ヌーシャテル州には、近隣で採取できる、ニガヨモギなどを中心としたボタニカル(植物)を使用した滋養強壮目的の伝統薬用酒がありました。それを1790年代にデュビエ氏により「デュビエ・ペアー・フィルス蒸留所」が創業し、アブサンは初めて商業的に販路を広げました。そのデュビエ氏の娘に婿として嫁いだのが、今のペルノリカール社の始皇帝、「アンリ・ルイ・ペルノ」です。
アンリ・ルイ・ペルノは、21歳でデュビエ氏の元で修行をしました。その後、アンリ・ルイ・ペルノは1805年に独立し、スイスのクヴェ村から数10キロ先の国境を越えたフランスのフランシュコンテ地域(現在の、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏)に属するポンタリエ市(のちのアブサンの一大生産地)に「Pernod Fils」蒸留所を創業しました。1805年、これがいわゆるいまのペルノリカール社のスタート地点です。
アブサンがここまで流行したのには、二つの理由があります。1830年~1847年のフランスによるオスマン帝国領アルジェリア侵略時に軍に支給されました。そして帰還兵が国に戻った時にアブサンを広めました。また、1850年代末にアメリカ原産の葡萄の苗とともにヨーロッパに渡った害虫(学名:フィロキセラ・パスタリクス)によってフランスの葡萄畑が甚大な被害を受けました。1863年、ローヌ河畔の葡萄畑に被害が出はじめ、またたく間に各地に伝播し、フランスでは約20年間に100万ヘクタールの葡萄畑が失われました。それ以降、オーストリア、イタリア、ドイツまで飛び火し、葡萄畑に大きな被害を与えました。ワイン及び、ブランデーの代用品とまではいきませんでしたが、アルジェリア侵攻の帰還兵によって大きく認知されたアブサンは、ペルノ社の宣伝広告の効果もあり、ワイン、ブランデーに代わって人気を博しました。
●リカール社
リカール社は、1932年にフランスのマルセイユでポールリカールによって設立されたフランスの食前酒メーカーです。
現在、ペルノリカールグループに属しています。
1932年、ポールリカールは、22歳で、自分が作ったばかりの飲み物に自分の名前を付けることにしました。その後、リカールパスティスが誕生しました。
「パスティス」とは、アニスから作られる香油にハーブ「リコリス」を加えた、アルコール分40度以上の飲み物です。アブサンが、健康上の問題から1915年フランスで禁止された後、アブサンに似た風味を持つお酒が誕生しました。アブサンに「似せて(se pastiser、ス・パスティゼ)つくる」という意味でパスティスと呼ばれるようになったのだそうです。
1940年、第二次世界大戦中におけるフランスのヴィシー政権によりパスティスの製造が禁止されました。したがって、ポールリカールは飲み物の生産を停止しました。フランスはパスティスが再び認可されるまでに11年待たなければなりませんでした。
1956年、スエズ危機と石油不足の間、ポールリカールはパリでキャメルバックを用いた運送方法を導入しました。
1960年代、ポールリカールはフランス全土に工場を開設しました。
1968年、ポールリカールは引退しました。彼の息子のパトリックは1978年にCEOに就任しました。リカールグループは世界でトップのアニス風味のアルコールリーダーのひとつです。
1975年、ポールリカールは合併してジャンエマール(ペルノグループ)と提携し、ペルノリカールグループを誕生させます。
現在、ペルノリカールグループは、世界で2番目に大きなワイン&スピリッツの販売業者であり、ヨーロッパ市場のリーダーです。
■ポティーン(世界最古の蒸溜酒?)
「ポティーン」(ポチーン)は最古の記録は6世紀まで遡るという、長い歴史を持つ蒸留酒です。「小さなポット、小さな蒸溜釜」を意味するゲール語(スコットランドに限らず、イングランド、ウェールズ、そしてアイルラ ンドにおけるケルト系先住民族の言語)「Pota」が語源で、小型ポットスチルからできる液体を指すようになりました。多くは大麦を原料とした「ウシュク・ポティーン」でウイスキーの原型ともいわれますが、後には穀物やジャガイモ、サトウダイコン、糖蜜、乳清など安価で入手しやすいものが使われるようになりました。隆盛を極め最大時2,000ヶ所近くあったといわれるアイリッシュの蒸留所の中には、ポティーンを製造する小規模な蒸留所も含まれています。「ポティーン」とは、大麦麦芽(モルト)やサトウダイコン、ジャガイモなどを原料に用いた、アイルランドの伝統的な地酒です。その起源は6世紀にさかのぼり、世界最古の蒸留酒といわれています。アイルランドの人々にとって、「ポティーン」は「魂の酒」であり、象徴的な存在でしたが、1661年に当時アイルランドを支配していた英国王室が重税を課して根絶を図ったため、いったん表舞台から消えます。300年以上も製造が禁止されていました。しかし、アイルランドの人々のポティーン愛は決して失われることなく、300年以上にわたって秘かに「密造酒」として蒸溜され続けていたのです。アイルランド最古の蒸留酒であるポティーンは、6世紀の修道院に始まり、その後、何世紀にもわたってこの国の文化の中心を担ってきました。
1997年に醸造が合法化されると、新興ブランドの参入や、カクテル・ブームも相まって、ポティーンはスピリッツのひとつのカテゴリーとして分類されるまでに復活を遂げました。現在ではアイルランド島内に13の蒸留所がありますが、地域ごとに使用する原料やスタイルはさまざまで、味わいが全く異なるのがポティーンの魅力です。ティーリング、マッド・マーチ・ヘア、グレンダロッホ (グレンダロウ)、ノッキーン、バンラッティなどのブランドがあります。
■ソジュ
ランク外ですが、朝鮮半島の伝統的な蒸留酒である韓国の蒸溜酒(韓国焼酎)「ソジュ」も人気です。日本では、「チャミスル」や「鏡月」などの商品名で販売されています。「JINRO」も日本向けの韓国焼酎です。ソジュは、原料に規定がなく、複数の材料を使用し、加糖や香料、酸味料などのフレーバーが添加されている商品が多いなどの違いはありますが、製造方法はほぼ同様です。ただ、アルコール度数が低い(15度~20度)ものが主流です。
■焼酎
焼酎・泡盛については、別ページで触れていますので、ここでは簡単に触れておきます。
焼酎(しょうちゅう)は、日本の蒸留酒です。原料の違いで、米焼酎・麦焼酎・芋焼酎・黒糖焼酎・粕取り焼酎・そば焼酎・栗焼酎・泡盛など様々な種類があります。
日本で16世紀から製造され、1559年の大工が残した落書きが最古の記録とされています。17世紀後半より『童蒙酒造記』といった文献に残され、各地で製造されました。南九州(宮崎県・鹿児島県・熊本県南部)を中心に製造が盛んです。また、長崎県の壱岐、東京都の伊豆諸島、沖縄県など、島嶼(とうしょ、大小の島々の意)でも焼酎が製造されています。現代では海外にも輸出されています。現代の日本で製造される焼酎のアルコール度数は25%が多いですが、第二次世界大戦直後に20%以下の酒税率を低くして密造焼酎の淘汰を図る政策をとった影響で20%の製品もああります。
「酎」が2010年まで常用漢字に含まれていなかったため、法令その他の政府文書では「しょうちゅう」あるいは「しようちゆう」と平仮名表記になっていました。

■ブランデー

3大蒸溜酒であるウイスキーについては他のページで触れていますし、白酒については詳しくは触れませんので、ここでは、「ブランデー」について少し詳しく触れておきます。
■ブランデーの概要
ブランデーは、果物を原料とする蒸溜酒の総称です。
語源はオランダ語の「焼いたワイン」を意味する「brandewijn」です。
もっとも代表的な原料は葡萄で、ブランデーといえば葡萄を原料にしたものを指すのが一般的です。そのほか、林檎、さくらんぼ、洋梨、ベリー類などさまざまな果物が使われ、これらは基本的に「フルーツブランデー」と呼ばれます。アップル・ブランデーやサクランボから作ったチェリー・ブランデーと呼ばれる場合もあります。アルコール度数は主に40度弱から50度程度です。
また原料や生産地、製造方法によっても細かく分類されているのが特徴です。
「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」の3種は「世界三大ブランデー」と称されています(コニャックやアルマニャックは葡萄が原料ですが、カルヴァドスは林檎を原料とするブランデーです)。ワインを造った際の葡萄の搾りかすから造られるマール(搾りかす)やグラッパ(イタリア特産、搾りかす)など世界中で様々なブランデーが造られています。
■地域別のブランデーの種類
・コニャック(3大ブランデー、コニャック地方)
フランスの南西部コニャック地方で造られたブランデーです。
樽熟成の年数を規定したコントダージュ(コント〇と表記、〇は数字)という基準で格付けされます。 主な銘柄はヘネシー、レミーマルタン、カミュ、マルテルなどがあります。
有名なコニャックは、香り高いブランデーです。コニャックを名乗ることができるのは、フランスのAOC(原産地統制呼称)の条件を満たした品質が保証されたものだけです。ユニ・ブラン(品種)を代表とする白葡萄を使い、大まかには、単式蒸留器で2回の蒸留、最低2年以上、オーク樽で熟成、調合(ブレンド)、瓶詰の過程で製造されています。コニャック地方の生産でないブランデーはコニャックと呼べません。
・アルマニャック(3大ブランデー、アルマニャック地方)
フランスのアルマニャック地方で造られたブランデーです。
主な銘柄は、ド・モンタル、ダローズ、シャボー、ジェラスなどがあります。
フランス最古のリキュールでもあるアルマニャックは、力強さのあるブランデーです。アルマニャックもAOCの条件を満たして品質保証されてものだけがアルマニャックと呼ばれます。
ユニ・ブランを代表とする白葡萄を使い、大まかには、連続式蒸留器で1回の蒸留、1年以上樫の樽で熟成、調合(ブレンド)、瓶詰の過程で製造されています。
アルマニャック地方の生産でないブランデーはアルマニャックと呼べません。
・カルヴァドス(3大ブランデー、ノルマンディー地方)
カルヴァドスはフランスのノルマンディー地方で造られている、林檎を原料とするブランデーです。カルヴァドスは、生産される地域によって「カルヴァドス ペイ・ドージュ」「カルヴァドスAC」「カルヴァドスドンフロンテ」の3種類に分かれます。それぞれの特徴を知り、飲みたいカルヴァドス選びの参考にしてみましょう。
主な銘柄は、シャトーブルイユ(ペイドージュ)、デュポン(ペイドージュ)、ブラー(ペイドージュ)などがあります。
コニャックやアルマニャックと同様に「カルヴァドス」と名乗るには規定があり、この地域以外で造られた林檎のブランデーは「フルーツブランデー」や「アップルブランデー」と呼ばれます。
カルヴァドスは、ワインではなく林檎の発泡酒である「シードル」を蒸留して造られるのが特徴です。フルーティーで甘味があるため、そのまま飲むほか、お菓子の材料としてもよく使われています。
・フレンチブランデー(フランス)
フランス産のブランデーの総称がフレンチブランデーです。
コニャックやアルマニャックもフランス産なので、フレンチブランデーとなりますが、 一般的にコニャックとアルマニャック以外のブランデーを指すことが多いです。
AOCの条件など決められているわけでないので品質や原材料もさまざまです。
・ピスコ(ペルー、チリ)
ペルーとチリ原産の葡萄果汁を発酵させてできたワインを蒸留して造られたブランデーです。
ペルー国内の原産地呼称制度に登録されていますが、ペルーとチリの間で、ピスコの定義を巡って争いがあるようです。
・ポマースブランデー(各国、下記に記載)
ポマースブランデーとは、ワインの醸造後に出る発酵後の葡萄の残りかすである「ポマース」を蒸留して作ったお酒を指します。ポマースブランデーは日本では粕取りブランデーと呼ばれており、伝統的な蒸留酒として様々な地域で作られています。辛口でフレッシュな味わいが特徴です。
ポマースブランデーは古くから世界中で造られてきたお酒です。蒸留技術が伝わると、ワイン醸造の文化がある地域の多くではポマースブランデーが造られ始めたといわれています。
そんなポマースブランデーの種類は以下のとおりです。
・グラッパ(イタリア)
・マール(フランス)
・ラキヤ(ブルアリア)
・オルホ(スペイン)
・ジヴァニア(キプロス)
・チャチャ(グルジア)
・トレスター(ドイツ)
・チプロ(ギリシャ)
上記の8種類以外にも世界には多くの種類のポマースブランデーがあり、それぞれに特徴が異なります。
■原料別のブランデーの種類
・アップルブランデー(カルヴァドス)
林檎を原材料にしたブランデーですが、西洋なしも使っていることが多いです。
甘く華やかな味わいのブランデーです。カルヴァドスが有名です。
但し、カルヴァドスを名乗ることができるのは、フランス・ノルマンディー地方産のアップルブランデーのみです。
・キルシュヴァッサー(さくらんぼ)
キルシュヴァッサー(ドイツ語: Kirschwasser)は、蒸留酒の一種です。
種子ごと潰したサクランボ(ドイツ語: Kirsche)を醗酵させ、6週間前後寝かせた後に蒸留した無色透明のブランデー(スピリッツ)です。主にドイツ南部からオーストリア、スイスにかけた地域で生産され、とくにドイツ・シュヴァルツヴァルト地方の名産品として知られています。片仮名表記の場合、キルシュワッサー、キルシワッサーなどと書かれることもあります。フランスのアルザス地方では「キルシュ」と呼ばれることも多いです。
なお、サクランボ果汁を醗酵させるのではなく、サクランボをエタノール漬けした後に蒸留して作られた蒸留酒はキルシュガイスト (ドイツ語: Kirschgeist) と呼ばれ、キルシュヴァッサーとは明確に区別されます。
スポンジケーキに塗るシロップの香り付けなど主に製菓用に使われ、代表的なものにシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテがあります。
「アカシア」という名のカクテルの材料としても使用されることもあります。
北部ドイツではストレートでも飲用されます。ビールをチェイサーとして交互に呑む他、食後酒としても用いられます。
・フランボワーズ(ラズベリー、木いちご)
木いちご(英語ラズベリー、仏語フランボワーズ)を原料としてフランスで造られるブランデー(リキュール)が「フランボワーズ」です。「クレーム ド フランボワーズ」、単に「フランボワーズ」、「フランボワーズ リキュール」と称されます。ドイツでは、「ヒンベアー」と呼ばれます。
カクテルや製菓用に使われることが多いです。
・スリヴォヴィッツ(すもも、プラム)
スリヴォヴィッツ、スリヴォヴィツァ、シュリヴォヴィツァなどと呼ばれるスモモ(主にダムソン・プラム、代表的な食用プラム)を原料として造られるブランデーです。ブランデーの飲み方と同じく、スリヴォヴィッツもストレートで飲むのが一般的です。常温の方がプラム由来の豊かな風味を楽しめます。カクテルとして飲むなら、ソーダーやトニックウォーターで割るのもおすすめです。
生産国によっていろいろな呼ばれ方がされますが、プラム・ブランデーと呼ばれることが多いです。また、国ごとに言語が違うので呼び方は多少異なりますが、世界共通言語に近い英語のスリヴォヴィッツ(Slivovitz)で概ね統一されています。主に東欧や中欧のセルビア、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チェコ共和国、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、ドイツ、オーストリア、セルビア、マケドニア、ウクライナ、など多くの国で生産されています。スリヴォヴィッツは、ほとんどは生産国内で消費されているフルーツブランデーですので、日本では馴染みの薄いお酒ですが、世界的にも消費量の多い人気のフルーツブランデーです。複数の国がスリヴォヴィッツに関する欧州連合の原産地名称保護制度適用を主張していましたが、2007年10月欧州連合は、「スリヴォヴィッツ」は一般名称であると定め、各国それぞれが独自にスリヴォヴィッツの産地呼称を保護するように求めました。これを受けてセルビアでは、セルビア産のスリヴォヴィッツについてはセルビアン・スリヴォヴィッツ、スルプスカ・シュリヴォヴィツァと称することができると定めました。
プラムブランデーのおすすめはドイツのブランド「シュペヒト」のスリヴォヴィッツです。東欧産の良質の「紫色スモモ」を蒸留し、オーク樽で熟成させた東欧特産のシュナップス(ドイツなどで飲まれている無色透明でアルコール度数が高い蒸留酒の総称)です。淡い琥珀色をしたプラム特有の風味が豊かなブランデー(日本では法律上「製菓用ブランデー」になります)です。スリヴォヴィッツの本場である東欧では、食前や食後にショットグラスに入れてクイっと一気飲みして飲まれることが多いです。もちろんこの飲み方もおすすめですが、アルコール度数が高くて飲みにくいと感じる方も少なくないと思います。そこでおすすめなのが、紅茶に少し垂らして風味を味合う飲み方です。スリヴォヴィッツの爽やかな香りと紅茶のマリアージュを楽しめる、おすすめの飲み方です。
ブランデーは通常スピリッツ(蒸留酒)なのですが、製菓用は糖分を添加してリキュール(混成酒)にしています。税法上リキュールのほうが値段が安くなりますし、お菓子に使うのであれば砂糖が添加されていても問題はなかろうということです。
2022年にセルビアのスリヴォヴィツァはUNESCOの無形文化遺産に登録されました。セルビアでは主に食前酒として供されます。セルビアのことわざで、「家を建てる最良の場所は、スモモが最も良く育つ場所である」というものがあります。スリヴォヴィッツはセルビアの民俗文化と深い結びつきを有しており、誕生、洗礼、兵役、結婚、葬儀など多くの儀礼で飲料として登場します。セルビア正教会の守護聖人の祭・スラヴァにおいてもスリヴォヴィッツが用いられます。スリヴォヴィッツはセルビアにおいて数多くの民俗文化の中で見られ、またアルコール飲料として重要な地位を占めていることが理由です。
「プラム」とは、バラ科サクラ属、またはスモモ属のスモモ亜属の総称をいいます。
「プラム」はバラ科サクラ属やスモモ属のスモモ亜属に属している樹木や果実の総称を意味しています。「ウメ」、「スモモ」、「アンズ」などが属しています。また、「プラム」は英語で「plum」と表記します。
一方、「梅」はバラ科サクラ属に分類されている落葉小高木や高木の一種のことを表しています。そのため、「プラム」にはさまざまな種類があり、「梅」は「プラム」の一種になります。よって、中には、風味が日本の梅酒に近い商品もあるようです。
・パーリンカ(各種フルーツ)
ハンガリーで造られる、果物を原料とする蒸溜酒です。なお、ハンガリー国外で造られる同様の蒸溜酒はパーリンカを名乗ることはできず、フルーツブランデー、ツイカ(ホリンカ、プラムから作られるルーマニアの伝統的な蒸溜酒)、ラキヤ(バルカン半島諸国で一般的に生産・飲用されている発酵させた果実から作られる蒸溜酒)などと区別されます。語源はスロバキア語で「燃やす(蒸溜する)」を意味します。素材として使われるフルーツは様々なものがありますが、最も一般的なものはプラムで、次いで林檎、洋ナシ、チェリー、アプリコットなど多くの種類があります。
基本的には「素材の果物名+パーリンカ」の名前で分類されます(例:プラムの場合「Szilva pálinka」、アプリコットの場合「Barack pálinka」)。
・ツイカ(ホリンカ)
ルーマニアの伝統的な蒸溜酒である「ホリンカ」と「ツイカ」の法律上の定義は同じですが、「ホリンカ」という言葉に歴史的な背景があります。マラムレシュ地方(ルーマニアの北西部、ウクライナの国境近く)の人々は昔から「ツイカ」ではなく「ホリンカ」という言葉を使っていたため、特別に法律上で認められています。したがって、「ホリンカ」という言葉は「地理的表示ツイカ」の意味を持ち、マラムレシュ地方のツイカであることを保証しています。
「ツイカ、ホリンカ(ルーマニアのパリンカ)」は、フランスのカルヴァドスやイタリアのグラッパと同様で、「伝統蒸溜酒」としてEU(欧州連合)に認められ、EU諸国、米国、南米やカナダなどではアルコール飲料として販売されています。欧州連合の蒸溜酒に関する法律が2008年に更新され、「伝統蒸溜酒」の法的な枠組みがより明確になりました。しかし、日本国内では、蒸溜酒に関する法律が昭和29年(1954年)に定められ、「伝統蒸溜酒」という法的な枠組みはありません。又、蒸溜酒に含まれているメチルアルコールの量に関する規定も異なります(EUは5mg/Lまで認められていますが、日本では1mg/L以上は認められていません)。したがって、ヨーロッパの伝統蒸溜酒の位置付けは明確にされず、「アルコール飲料」としての輸入は困難です。しかし、「製菓用ブランデー」というカテゴリーで輸入が認められているため、手に入れることは可能ですが、通常のアルコール飲料として消費することはできません。
※ついでですので、メタノール(メチルアルコール)について、少し触れておきます。
メチルアルコールは葡萄の種や果皮に含まれるペクチンによって生成されます。(ワインにも含まれていますが、グラッパの原料は絞りかす(ヴィナッチャ)。つまり種と皮なので、その濃度が違います)それを蒸留してエキスを濃縮する訳ですから、メチルアルコールは増していきます。
メチルアルコールと飲用アルコールであるエチルアルコールは沸点が違うため、連続式蒸留をかければ取り除くことができるのですが、グラッパは変則1回蒸留。つまり残留メチルアルコールが必ず発生します。
そして、この濃度が一定を超えたものは飲用として出荷する事ができません。なので、グラッパの背面ラベルに「製菓用」の文言を見た事のある方は多いのではないでしょうか。一応、飲む用途ではないとして出荷している訳です。これが2011年の法改正より厳格化され、残留メチルアルコール濃度が一定を超えたものは輸入販売が出来なくなりました。メチルアルコールが残っているのだから当然だと思われるかもしれませんが、この基準が日本は厳しいです。ヨーロッパの基準より厳しい為、ヨーロッパ内で流通している商品であっても日本へ輸入する事ができません。一時、日本へのフィーヌ(ワイン用のブドウを選果した時に基準に満たないとされたブドウや、澱引きした後にタンクや樽に残ったワインを蒸留して造られるブランデーのこと)の輸入が止まったのはこの影響です。

この残留物という物の中には香味物質が含まれており、これが蒸留酒特有の旨みをもたらします。

本格焼酎にある特有の旨みや香味がこれと同じです。

イタリア国内でしか流通していない透明なグラッパや少し古い物を飲んでみてください。

透明でありながら深みと旨みのある蒸留酒の世界に触れる事ができます。

ここから先は樽熟グラッパに対する私見です。

本来、透明状態で楽しむグラッパはこの香味物質がないと、精錬され、シャープな味わいのものばっかりになってしまいお酒としての面白さに欠けます。

これを補う為に増えたのがグラッパの樽熟成。

(もちろんウイスキーを始めとする、樽熟酒が流行っているという事や旨みを感じやすいという事もあります。)

樽熟成というのは不思議でウイスキーの味わいの99%は樽で決まり、原酒は関係ないとミシェルクーヴレーは言った程。

彼はウイスキーの熟成のために良質のシェリー酒造りから始めています。

それだけ樽での熟成というのは旨みと難しさを孕んでいます。

樽熟成の真価を発揮しているお酒といえばスコッチとコニャック、カルヴァドス。

イギリスとフランスです。

(バーボンもありますが、新樽なので省きます。)

熟成グラッパの歴史の浅いグラッパメーカーは正直言って樽熟成に対しての技術が未熟で、昨今の情勢では良質の樽を手に入れる事も困難。

良質の樽熟グラッパが殆どないのもこの為です。

ある意味でイタリアのグラッパの熟成は独自の路線をとっており、キャラメルの添加により味を決めています。

スコッチにおいてもキャラメルの添加は認められており、無添加の物はノンチルフィルターやノンカラー等の表記があるくらいで、添加していないウイスキーの方が少ないです。

ただ、グラッパで無添加はほぼ見かけません。

色も熟成年数に対して不自然に濃く甘みが強いです。

これが熟成グラッパの楽しみ方なんだと言われればそれまでなのですが、なんとも不思議な世界です。

ヴィナッチャの雑味と合うという考え方も理解できなくはありません。

ただし、蒸留酒としての深淵さはありません。

あくまで、私見です。





パリンカの飲み方は、欧州では、イタリアのグラッパやフランスのカルヴァドスと同じ飲み方ですが、ストレートのままショットグラスに注ぎ、一度で飲み干す飲み方も一般的です。基本的には食後に飲み、食事の消化にも良いとされています。アルコール度数が比較的に高いため、1日50ml以下が適量とされています。ブランデーのようにロックで飲まれることもあるが、水割りやお湯割の習慣はないようです。
・ラキヤ(ラキウ)
ラキヤは、発酵させた果実から作られる蒸留酒であり、バルカン半島諸国で一般的に生産・飲用されています。通常、ラキヤのアルコール度数は40%程度ですが、自家製のものではより度数の高いものもあり、50%~60%程度です。名称はトルコの蒸留酒ラクに由来しますが、ラクとは異なる飲料に発展したものです。
ラキヤは、南スラヴ人たちの国民的飲料であるとみられています。広義的には、スモモから造られるシュリヴォヴィツァや、ブドウから造られるグロズドヴァ(grozdova)なども含みます。それ以外では、モモやアンズ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチジク、マルメロなどを用いたものもあります。セルビアやブルガリアなどでは、複数の果物を混ぜ合わせたラキヤもあります。イストリア半島では、ラキヤは主にブドウのみから作られ、当地ではトラパ(trapa)やグラッパ(grappa)などと呼ばれます。グラッパという呼び方は、イタリアでも見られます。スモモやブドウのラキヤは、蒸留後に味付けとして他の材料が加えられることもあり、ハーブやハチミツ、スミミザクラ、クルミなどが用いられます。バルカン半島はヨーロッパの東、西をアドリア海・イオニア海、東を黒海、南を地中海・エーゲ海に囲まれた広範な地域を指します。 一般にルーマニア・ブルガリア・旧ユーゴスラヴィア・アルバニア・ギリシア・トルコのヨーロッパ部分からなります。
・ラク
「ラク」の名は「アラック」に由来します。葡萄から造られ、アニスで香りが付けられています。無色透明ですが水を加えると非水溶成分が析出して白濁するのが特徴で、その様子からトルコ語で「アスラン・スュテュ、獅子の乳の意)」と呼ばれます。アルコール度数は45%から50%で、メゼ(前菜)と一緒に食前酒として飲まれます。東地中海地方(マシュリク、東方の意)の「アラック」やギリシャの「ウーゾ」とは原材料が同じであり、同じく食前酒として飲まれているなど類似点が多いです。トルコで生産されるトルコワインの多くは、飲用ではなくラクの原材料として用いられています。
原理を調べてみると、ラクにもアブサンにも共通して使われているハーブ、アニスが原因のようです。割る前はアニスの油分(精油成分)がアルコールに溶け込んでいますが、油分は水には溶けないため、水を入れてアルコールが薄まると浮き出てくる、ということらしいです。
「アラック」は、「ラク」と同系統の蒸留酒で、中近東、特にイラク、シリアを中心とし、エジプトやスーダンのような北アフリカ地方などでも伝統的につくられてきた蒸留酒です。イスラエルやパレスチナにおいても入手可能です。
「ウーゾ」は、アニスの香りを持つ、ギリシアとキプロスで生産される無色透明のリキュールです。名称は、原産地名称保護制度で保護されています。なお、片仮名表記ではウゾなどと書かれることもあります。

■ブランデーの熟年数の表記

ブランデーのボトルに表記のある、「VSOP」、「XO」などの熟年数の表記は、かなりややこしいです。全てにおいて共通ではなく、ブランデーの種類や銘柄によって異なりますので、注意が必要です。
ざっくりいいますと、「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」「その他のブランデー」に分かれますが、それぞれ表記の基準が異なっていたり、「その他のブランデー」のように基準の決まっていないブランデーもあります。例えば、「コニャックとカルヴァドスのVS」は最低熟年数2年以上ですが、「アルマニャックのVS」は最低熟年数1年以上です。また、極端ですが、「その他のブランデー」では、熟年数1年未満でも、メーカーや販売者が独自に「VS」と表記しても問題ないということです。
さらに、同じ「コニャックXO」でも、2018年4月1日以降に出荷されたXOの最低熟成年数は10年(それまでは最低熟年数6年)へ変更になりました。つまり、同じ「コニャックXO」でも、最低熟年数が10年ものと6年もの(現行品でない旧ラベルや古酒)があるということになります。ただ、時代やボトルによっても、原酒や調合(ブレンド)も異なりますので、最低熟年数が少ないから風味が劣るというわけではありません。実際、旧ラベルや古酒の方が市場価格では高価となる傾向があり、希少性だけの理由ではなく、風味を好む方も多くいらっしゃいます。
■ブランデーの熟年数の表記(概要)
ブランデーでは、ブレンドした原酒中で最も古いものの熟成年数を表す符号が一般に用いられています。
ただし、これは製造国・製造元、コニャックやアルマニャック等の特定名称によって異なります。
①1つ星
3~4年熟成させたブランデー。
②2つ星
5~6年熟成させたブランデー。
③3つ星
7~10年熟成させたブランデー。
コニャック・アルマニャックの場合は、蒸留後最低でも3年を経た原酒を使用したものだけが表示可能です。
④VO
very old(とても古いブランデー)。
11~15年熟成させたもの。
⑤VSO
very superior old(とても優れた古いブランデー)。
16~20年熟成させたもの。
⑥VSOP
very suerior old pale(とても優れた古い澄んだブランデー)。
20~30年熟成させたもの。
コニャック・アルマニャックの場合は、蒸留後最低でも5年を経た原酒を使用したものだけが表示可能です。
それ以上のグレードになると、通常は下記の称号が与えられており、等級別に価格がさらに上がっていきます。
⑦VVSOP
very very superior old pale (とてもとても優れた古い澄んだブランデー)。
⑧ナポレオン、XO、エクストラ
44~45年(XO)、70年(エクストラ)熟成させたブランデー。
⑨extra old(特別に古いブランデー)
コニャック・アルマニャックの場合、蒸留後最低でも7年を経た原酒を使用したもののみ表示可能です。
コニャックやアルマニャックの場合、これらの称号は原酒が一定時間熟成されていなければ名乗ることは出来ないよう全国コニャック事務局(BNIC)や全国アルマニャック事務局(BNIA)において厳しく規制されていますが、それ以外のブランデーについてはラベル表示に関して何ら規制はありません。このため、同じナポレオンと名乗っていてもメーカーによっては価格に10倍以上の開きがあり、品質も雲泥の差があります。たいてい無名のブランドのナポレオン等は2000円前後で箱無しや粗末な瓶に入って売られている場合が多いのですが、これらの多くは上記の規制のないフレンチブランデーであり、必ずしも長期熟成を経たものではないので注意が必要です。総じて高級品ほど瓶や箱が贅沢にできており、味もスムーズです。プレミアムコニャックの場合、5万円以上して、数十年熟成されたものもあります。
コニャック・アルマニャックがフランスの酒にもかかわらず等級名が英語であるのは、過去の、特に18世紀の、重要な輸出相手国がイギリスであったことによります。

■AOCでのブランデーの等級(ランク)表記
AOCで表記の基準が決められているブランデーがあります。
ブランデーとして最も有名でもあるフランスの3大ブランデー「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」は、フランスの原産地呼称統制:AOC(Appellation d’Origine Contrôlée)で産地、製法、熟成年数などが細かく決められています。このAOCは各ブランデーはじめワインやチーズ、その他農業製品の品質を保証するために設けられた制度で、 その基準を満たさないと「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」と名乗れません。
このAOC内で各ブランデーの種類ごとに熟成年数によってVSOPやナポレオン、XOといいた表示の基準が厳密に設けられています。
上記以外の、例えば日本のブランデーやその他AOCが存在しない国のブランデーでは独自の基準で表記を行っています。
フランスのVSOPやXOなどの表記方法を踏襲しているブランデーが多いですが、中には「サントリーVO」など独自の表記が用いられているブランデーもあります。これらのブランデーは熟成年数に応じた細かいランク表記の基準が法律によって決まっているわけではありません。そのため表記方法などは比較的自由度が高いです。
熟成年数について詳細は後述しますが、コニャック、アルマニャック、カルヴァドスの場合XO表記は最低10年熟成となります。しかしそれ以外のブランデーの場合極端な話6年熟成でもXOと名乗ることは可能です。
やや大雑把なイメージですが、厳格にAOCで表記基準が決まっている「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」と「日本のブランデーやその他の国のブランデー」に区分されている感じです。
次からは厳格な基準が決まっているコニャック、アルマニャック、カルヴァドスの熟成年数別表記について簡単にまとめました。

■コニャックの等級
コニャックのAOCは現在フランスのコニャック管理局であるBureau National Interprofessionnel du Cognac (通称:BNIC)によって定められています。
以下はコニャックの様々な基準を制定しているフランスにある協会「BNIC」によって定められている最低熟成年数別のコニャックの名称表記です(2020年4月時点)。実はVS、VSOP、XO以外にも細かい名称基準があります。「コント」の後の数字は、熟年数に同じです。ウイスキー同様、ブレンドされた最も若い原酒を基準に使用できるランク表記が決まります。
※コニャックにおいて2018年3月出荷分まではコント6でXOと名乗れたが、2018年4月1日からコニャックにおけるXOの熟成年数基準が変更されました。2018年4月1日以降出荷されるXOの最低熟成年数は10年目以降(コント10以上)となります。古酒(2018年3月まで)については、「X.O.」でも熟年数6年以上10年未満もあるということになります。新しい(2018年4月以降)コニャックは、「X.O.」であれば、最低熟年数10年以上となります。
・コント2以上(最低熟成年数2年)
スリースター / V.S.
・コント4以上、最低熟成年数4年
V.S.O.P.
・コント6以上、最低熟成年数6年
ナポレオン
・コント10以上、最低熟成年数10年
X.O.
・コント10以上,一般的にXOよりクオリティが高いとされるもの
オルダージュ(Hors d’âge)やExtraなど
・最低熟年数14年
X.X.O.

※以下、下記の様に表記される場合もあります。
・コント2以上で許可される表記
VS(Very Special)、3Etoiles、Sélection、De Luxe、Millésime
・コント3以上で許可される表記
Supérieur、Cuvée Supérieure、Qualité Supérieure
・コント4以上で許可される表記
V.S.O.P.(Very Superior Old Pale)、Réserve、Vieux、Rare、Royal
・コント5以上で許可される表記
Vieille Réserve、Réserve Rare、Réserve Royale
・コント6以上で許可される表記
Napoléon、Très Vieille Réserve、Très Vieux、Héritage、Très Rare、Excellence、Suprême
・コント10以上で許可される表記
XO(Extra Old)、Hors d’âge、Extra、Ancestral、Ancêtre、Or、Gold、Impérial、XXO(Extra Extra Old)

■フィーヌ・シャンパーニュ・コニャック(限定品)
コニャックのボトルのラベルを見ていますと、「フィーヌ・シャンパーニュ・コニャック(FINE CHANPAGNE COGNAC)」と表記されているボトルがあることに気づきます。これは、コニャック地方の上位2地区でとれる葡萄による「eau-de-vie(オードヴィー)」のみをブレンドした日本限定商品の証です。ちなみにフランスでは「ブランデー」ではなく、「命の水」を意味する「オー・ド・ヴィー(Eau-de-vie)」という名前で呼ぶのが一般的です。
コニャックは、フランスのコニャック地区の法定地域内で造られるブランデーのことです。 この地区でも6つの等級に分けられているのですが、コニャックの街の地層がシャンパーニュ地方と似ている石灰岩層であることから、コニャック周辺には「シャンパーニュ」という言葉を取り入れたエリアがあるのです。 その6つのエリアは上級から順に、グランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ、ボルドリー、フォンボア、ボンボア、ボアオルディネールが存在します。 その中でもグランド・シャンパーニュは、コニャックのブランデー用葡萄の取れる最良の産地と言われています。 豊かな香りとボディのあるブランデーが出来ますが、熟成に時間がかかるのが特徴です。 そんなことから、グランド・シャンパーニュ地域の葡萄だけを用いたコニャックの生産量は少ないですが、非常に高品質で地元フランスでも評価の高いものとなります。 そして「フィーヌ・シャンパーニュ」ですが、6つの等級のうち、最良地区である2地区、グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュの原酒のみを使用して作られたコニャックのことをさします。 細かくいいますと、グランド・シャンパーニュに50%以下の割合で、プティット・シャンパーニュのブランデーをブレンドしたものです。

■アルマニャックの等級
アルマニャックの場合は全てBNIA(The Bureau National Interprofessionel de I’Armagnac)という国立アルマニャック事務局によって管理されています。
アルマニャックも同じくブレンドされている場合は最も若い原酒を基準として使用可能な表記が決まっています。代表的なものとして次の表記があります。
・コント1以上、最低熟成年数1年
V.S./ ★★★(スリースター)
・コント4以上、最低熟成年数4年
V.S.O.P.
・コント10以上、最低熟成年数10年
X.O./ HORS D’AGE
※VSの基準がコニャック(コニャックはコント2以上)と異なります。

■カルヴァドスの等級
カルヴァドスの等級表記は下記の基準です。
・最低2年熟成
VS / Trois Etoiles / Trois Pomme(トロワ ポンム)
・最低3年熟成
Vieux(ヴィユー) / Reserve(レゼルヴ)
・最低4年熟成
Vieille Reserve(ヴェイユレゼルヴ) / VSOP / VO
・最低6年熟成
Hors d’Age(オルダージュ)/ XO / Très Vieux(トレヴィユー) / Très Vieux Reserve / Extra(エクストラ) / Napoléon(ナポレオン)
※XOやオルダージュが最低6年熟成である部分はコニャックとアルマニャックと比較して大きな違いです。
また、カルヴァドスは傾向としてVSOPやXOといった表記よりも「8ans(8年熟成)」「AGE15ANS(15年熟成)」という風に直接的に熟成年数を表記する商品が多く見受けられます。